天守曲輪は、虎口（こぐち／曲輪の出入口）が東西二箇所にあって、東の虎口にはかつて「天守門」という名の櫓門がありました。
今はその門が無いため、ご覧の位置に立つと、天守が丸見えの状態です。

天守門は、東の本丸や二ノ丸に正対する形をとっていて、しかも標高差が１０数ｍもあるため、それらの御殿からもよく見えたように思われます。
特に江戸時代、天守が失われた時代においては、この天守門は、本丸の櫓と共に、幻の天守の代わりとして人々に仰ぎ見られた可能性もあったのではないでしょうか。

石垣造りの城では、主要な門の周辺に大きな石をよく見かけますが、この天守門の両側にも、角石に大きな石を縦長に積んだものが見られます。