浜松城の石垣は、層状の模様があるゴツゴツした「珪岩（けいがん）」を、野面積みにした荒々しさが魅力と言われています。
この「天守曲輪（てんしゅぐるわ）」をめぐる石垣は、八角形とも言われますが、実際は多くの屈曲が小刻みに付けられています。

こうした石垣の原点は、織田信長の安土城において、天主・本丸・二ノ丸を石垣で囲んだ領域、当時の言葉で「天主構（てんしゅがまえ）」と呼んだものにあったともされます。

この城の石垣は、織豊系の石垣造りの城にならいつつも、それに勝るとも劣らない「執拗さ」で屈曲させているところに、もう一つの見所があります。